MASAHITO UEDA
Department of Physics, The University of Tokyo
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学生講義評価
『現代量子物理学 基礎と応用』(千葉大学理学部 集中講義、平成17年度)
集中講義後半の上田先生の講義は、基礎的で学部生でも共通に持っているような量子力学の知識の意味や内容をなぜどうなるのかというところから確認することから始まるのでとてもわかりやすく入ってゆけた。特に粒子と波動の二重性やその解釈に関する部分は様々な本で読んで何度も考えた部分だが、すっきりと頭の中で整理し理解しきれていなかった。そのため、量子論の入り口に時間を使って順を追って説明していただいたことは良かったし、BECの説明でも必要なものだった。光子や電子の粒子と波動の二重性の直接的で視覚的な根拠であるダブルスリット実験の映像は、結果までを全て知っていたにもかかわらずとても楽しく、あらためてその不思議を考えた。個人的には外村彰氏の電子の実験の簡単な図が、実験の具体的方法がある程度想像出来て良かった(量子論の入門書などを読むと光子の実際のダブルスリットを使う実験ばかりが書かれていて電子はどうするのか?と疑問に思っていた)。また、エヴェレットの多世界解釈について現在の若い人を中心に信じている人達が少なくないという話は普段の量子力学の授業では聞くことができないものだったので楽しかった。自分の場合は、高校時代に初めて読んだ量子論関係の本が和田純夫さんの多世界解釈を紹介する本だったのでそれが自然なものと思っていたが大学講義ではコペンハーゲン解釈しか教わらなかったのでとてもマイナーな解釈なのかと思い忘れかけていた。多世界解釈では観測者自身まで量子論で考えるという点で受入れやすく想像も膨らむ。一方で分裂した宇宙と影響を及ぼしあえない為に実証不可能で意味が無い様にも感じてしまった。BECのレーザー冷却法による実験はつい最近のことで、さらにBECの目にみえるような巨視的不思議さを扱う研究は今推し進められているもので極めて興味深い。講義の後半には現在行われている研究から将来への期待を抱かせるまとめをされた。全体として量子論の基礎から最新の研究、そして未来へという一貫した流れのある構成に乗れた感じがした。難しい計算ばかりという内容ではなかったのでこれからも関心を持ち続けて自分で少しずつでも勉強し続けてゆこうという意欲の湧く講義だった。以前NHKで高校生にお話をされていませんでしたか?
興味のひかれる内容だった。個人的にはBECにこれほど物理的興味をひかれる内容が含まれていることを知り、大きな驚きだった。内容は、量子力学の波という性質をあらためて感じた。2つのBECの干渉の実験はよく考えてみると非常に不思議で、全ての現象(独立でも独立否でも)が干渉していることを示唆するこの実験の意味は非常に大きなものであると思った。また、所謂‘月を見るまでには月がそこにあるといってはいけない’という考え方についても少しは理解できた。個人的には「ベルの不等式」のお話をもぜひ聞きたかったが、短い集中講義の中で物理観が変えられてしまったのも事実で『物理をやっていて良かった』 『物理をやっているとこういう物理の見方をしなくては!』 と思わせてくれる講義内容だったと思う。興味を持てる講義だった。途中で質問がたくさん出たが飽きることなく聞く事が出来た。ただ初めの方のお話内容は物理学科の人なら知っていることであると思う。わかりやすかったが、もっと違うところに時間をかけてもよかったように思う。量子力学というものが不思議なものだと感じることができた。今はまだ計算することに苦戦しているだけだが、これをある程度理解することが出来たらおもしろいだろうと思う。エネルギーが離静的であるということだけでいろいろな応用が出来るだろうということを感じることができた。上田先生の話を聞いて、自分はほとんど量子力学を理解していないと感じた。そもそも“波動性”という言葉の意味もよくわからず、実在の人間の目には見えないので、ミクロな世界は粒子と波動の区別がつかないイメージし難い世界であると…。不確定生関係についてもわかっていなかった。導かれた単なる不等式だと思っていた。BECなどのお話も興味深いが、量子論の初歩内容で既にショックを受けていた。
波動関数の意味について: 「 が に粒子を見つける確率である 」というのは飛躍があっておかしな気がしていたが仕方のないことだと思っていた。しかし、‘説明しよう’とする考え方もあることを知り、問題を解く上であまり重要ではないと思われるようなことにもおもしろさを覚えた。自分が量子力学に出会ってから1年が経つが、まだまだ1歩を踏み出していないぐらいの実力だと思った。これから学ぶことが膨大にあると感じ、気が遠くなる。しかし、量子力学のよくわからなかった部分がはっきりし、また興味をもつことが出来たので、出席して良かったと思う。興味深く聞くことが出来た。「普通の授業なら2、3分で終わってしまうところを詳しくやります」とおっしゃっていたが、ここの部分がとても良かった。「光は波であって粒子でもある」「電子は粒子であって波でもある」という、何となく分かっていることを深く掘り下げていたため、理解が深まった。が、「観測するまでは、決まっていない」という概念は難しく、あまり納得できなかった。一番印象に残った話は「不確定性原理」の話だった。位置と運動量は観測方法を工夫出来れば同時に測れるという点が今まで授業でならったものとは全く違っていた。量子情報という新しい分野にもとても興味が湧いた。3年生にもわかりやすい授業でとてもおもしろかった。自分は物性分野にも興味があったので集中講義を受けてみた。序盤に気になっていた電子の粒子性と波動性についての説明があった。今までは‘電子は粒子でも波動でもある’と教えられてきたが、先生のお話は‘電子自体は粒子として振舞い、統計的に観ると波の波動性をもつ’というものだった。スクリーン上で、一つ一つの電子が映り、はじめランダムに1点1点電子が存在し、次第に縞模様になってゆく様子(波の干渉)を見た。視覚的に理解できたことが満足できた。又、ボーズ・アインシュタイン凝縮というものも学ぶことができた。温度が高い状態で原子は古典的粒子のように振る舞い、温度が低くなると波の性質‘干渉効果’としてあらわれ、さらに温度を低くしてゆくとほとんどの原子がエネルギーの最も低い状態に集まり、ミクロな原子の波が重なり合ってマクロな原子の波になるということであった。通信技術に量子力学の考えが使われ、実生活への応用も可能であるということをも知ることが出来た。自分は理論系にすすみたいと思っているが、どの分野にも量子力学が必要と思うので頑張って勉強してゆきたい。自分は学部3年で、まだまだ物理学が理解できていないが、理解できた中でおもしろいと思ったことは量子論入門の中の‘波動関数の解釈’の話題だった。2年生後期から量子力学を勉強しており、量子力学の意味と計算が少しずつ理解でき、だんだんと興味を持ち始めていたが、感覚がつかめない部分があった。波動関数の意味は確率振幅、つまり「情報」なのだと聞き、量子力学の理解やイメージが確実ではっきりしてきた。波動関数が物質の状態を決めるということは言葉では理解していたが、「情報」という言葉の方が私の中で波動関数を理解するのにわかりやすかった。エバレットの多世界解釈はよく理解できなかったので、次の機会に必ず理解したい。非常に興味深い内容の講義であった。普段受講している講義ではなかなか感じられない物理の奥深さが感じられた。内容的には学部生にも理解できるよう配慮頂いたと思った。すべて理解できたと言うにはほど遠いが、手も足も出ないという訳ではなく学べたと思う。この講義で最も強く感じたことは、物理学は現在進行形の学問だということであった。このような分野を理解するまでには多くの知識が自分にも必要だと思うが、在学中に出来ることはやろうという意志を強くすることができた。一番おもしろかったのは、‘もし波動関数を複製できるような演算子が存在するならばEPR相関を用いて光速を越える通信が可能となる’、そのような演算子が存在するかどうか計算するくだりだった。光速を越える通信を相対論に反しているからと否定するのではなく、仮に光速を越える通信が可能であると仮定し、そのために必要な条件を考察し、その条件が量子力学の基本原理と矛盾しないか考察するといった手法がとても面白かった。講義後、まるで良質のSFを読んだあとのような印象で、光速を越える通信が可能な条件を考察しようと思った。…残念ながら無理でした!人の脳も観測装置の一部とみることができるという点が興味深い。さらに多世界解釈というものをはじめて知った。波動関数の収縮は体系自信が起こす現象ではなく、人が観測することによって生じる。このような波動関数の変化の主流があることを知った。量子力学の非局所性によって、量子力学と情報理論が融合した新たな分野が生まれた。このところで、波動関数の奥深さを実感した。 の意味は、と をバラバラに測るということであるとはじめて知った。
今まであまり触れてこなかった量子力学、波動関数について学ぶことができてよかった。講義で使用した資料もわかりやすかった。普段、量子力学の講義を聞いている時には理解しがたかった波動関数の持つ意味について、量子論において波とは物理的実体のあるものではなく、確率という実体の無い情報であるという解釈でよく理解できるようになった。また、多世界解釈というものは初めて聞いたが大変興味深かった。
BECについては自分の勉強不足もあり、よく理解できていない点もあったがBECをもちいた実験によって、時空の歪み等の極微小量が観測でき物理の基本原理(一般相対性論等)が検証できるようになるということが面白かった。又、量子計算や量子暗号についての話も大変おもしろく聞くことができ、この分野に興味を深めた。配られた資料は、要点が良くまとめられて大変わかりやすかった。この講義を受けて物理学の研究の最前線が垣間見られた。ボーズ・アインシュタイン凝縮などとてもレベルの高い授業であった。理解するにはまだまだ勉強しなければならないと感じた。ただ、量子力学の観測問題や量子暗号、通信技術にはとても興味をもった。量子力学を学ぶときに誰もが持つ不思議さを少し解き明かしてくれた。粒子性と波動性の二重性はなんとなく理解していたがそれをはっきりと明確にしてくれた。観測問題においてこの分野の研究者の多くがエバレットの多世界解釈を支持していることに驚いた。物理関連のインターネット情報で非常に奇妙なエバレットの多世界解釈を説明しているHPがあった。見ていると何となくSF的な感じがした。しかしこんなことが実際に研究されているのが物理の楽しいところだと思う。今はまだ量子力学を使えるようになることが重要だと思うが、いつかこういうことを考えることができるようになりたいと感じた。個人的には物理は水素原子など計算が面倒で面白いとは感じられなかった。が、‘ボーズ・アインシュタイン凝縮’の講義を受けて、かなり物理に興味をそそられた。光物性に興味があるので、‘レーザー冷却法’や‘蒸発法’などはokayにかなり近づいているということに驚いた。それだけではなく‘ボーズ・アインシュタイン凝縮’に関しても、マクロでの量子現象が容易にかつコンパクトに実験し、目で見ることが出来るということに想像をふくらませられた。この現象によって量子力学の技術や製品が身近な日常に入ってくることを考えるとワクワクする。自分ももっと精進したい!この授業は量子力学に対して、基礎の基礎となる部分からの解説があり、非常にわかりやすかった。丁寧な解説が入ることによって今回の授業内容の参考になっただけではなく、今までの普段の授業の復習にもなった。又、普段の授業のときに気がつかずに流してしまっていた小さな疑問にもスポットが当てられており、より深く理解できた。授業で紹介された研究分野に関しても、レーザー冷却の理論や、物質の波動性、量子通信が可能か否かなどといった、物理という言葉から想像しやすいものであり、とても魅力的であった。特に、具体的な観測例を挙げての物質の波動性や、ある意味パズルのような(できそうでできない)量子通信の可否についての論議は、抽象的で理解し難かった量子力学を実際に見ることのできる現象や応用できそうな例を紹介して親しみやすいものにしてくれたと思う。‘不確定性’への理解も完全にとまではいかないが一歩は確実に深めることができたように思う。又、ボーズ・アインシュタイン凝縮という言葉は、今まで聞いたことがなかったがすべての粒子が同じ状態をとるという不思議さ、ボーズ・アインシュタイン凝縮の状態にある物質の渦や広がり方等の振舞いの不思議さには驚かされた。特に素粒子を扱うことが出来る程まで拡大してみないと表面にあらわれてこないと思っていた波動性が、ボーズ・アインシュタイン凝縮の状態になることで原子という比較的大きな物体に対しても現れてくるといった内容は魅力だった。講義内容は、研究の魅力と比較的表面の部分に重点をおかれた丁寧でわかりやすい説明だったと思うので、あと一歩、二歩…とすすめて深い部分の講義を聴いてみたい。今の物理界ではどの分野のどういった事象についての研究が盛んに行われているのかいまひとつわからなかったが、授業に出席することで最新の研究の一部分に触れることができたようでよかったと思う。現在3年生であるが、将来の研究室、進路選択に大いに役に立つと思った。
今回初めて‘集中講義’に参加した。学部3年生で講義についてゆくのがはじめは大変だと感じた。しかし、先生の授業は、実際の実験など具体的なお話も多く、興味深かった。又、はじめて聞いた「考え方」もあって非常に参考になった。非局所相関~の内容は特におもしろかった。基本から復習してくださったことや丁寧な説明もありがたかった。いつもの授業では教科書中心なので実際どのような実験から理論が実証されたのか、又現在どのような実験が行われているかを知ることができて収穫だった。自分の物理に対する考えや世界が広がったように思った。物理はとても早い進展をしてきたがまだまだ奥が深いと実感した。物理はとても難しいということも改めて感じ自分の勉強が足りないと感じだ。物理学科に入学したのだからもっとたくさん勉強しようと決意した。又、先輩方が多くの質問をしていて印象的だった。重要なことだと思った。自分は今まで授業後に質問することがあっても授業中に質問することはあまりなく、(授業中に)質問をすることがみんなのためにもなり、授業が活発になると思う。疑問に感じたことは積極的に質問をしてみようと思う。実は‘集中講義’は試しに出てみようかなという気軽な気持ちで参加したのだが、初めて聞く物理の話や先輩方の熱心さにとても刺激を受けた。今後も集中講義には積極的に参加してみたいと思う。用意してくださった資料もさらに勉強してみたい。この講義でボース・アインシュタイン凝縮という言葉を初めて耳にした。レーザーを用いたドップラー効果で冷却できるという点にも驚いた。全体を通して、普段学んでいる量子力学の現在とこれからを垣間見ることができた気がする。ここ1年量子力学を勉強してきたつもりだが波動関数という実態のないような気がするものに興味がわかなかった。しかし、今回の講義では量子力学の具体的な使い方を説明して頂き、今まで無機質と感じた量子力学に少し感心がもてたような気がしている。理論系と実験系のどちらを選ぶかという今後の選択についても参考になった。貴重な講義をありがとうございました。私は今3年生で今まで授業についてゆくのも大変だったので、正直なところ今回の内容も難しく感じた。たまに聞いたことがある言葉を聞くと「おお」と思い今までやってきたことはこれからもどんどん使ってゆける内容なのだと思った。今はまだ特につきつめてゆきたい分野や内容がない状態だが、今回の講義の中で上田先生と4年生・院生の質疑応答を見て、とても格好良く感じた。自分も研究室を決める前までには興味を持てる内容を見つけたいと思う。集中講義という形で量子力学の基本と現在の研究分野の解説をして下さったが、非常に解りやすく、ためになった。粒子性と波動性の意味については、これまで漠然としたイメージしかなかったがはっきりした意味をつかみとることが出来、シュレデンガー方式についてもなぜそのような‘形’で表されるのかということが理解できた。学生からの質問にも解り易い的確な回答をして下さって、自分自身、他の人が疑問に思ったことを深く考えることも出来た。特におもしろかったのは不確定さを調べる上で となるような実験はどのような方法かという話だった。1回の実験で を測定しようとした場合、後で観測する波動関数の形が、前に観測した結果変化してしまうということは今まで1度も考えていなかったので、波動関数は単なる情報を伝えるだけのものであることを再確認することが出来た。2日という短い時間だったが、講義で教わった量子力学のおもしろさや深さを今後の勉強に生かしてゆきたいと思う。
"ボース・アインシュタイン凝縮" や "多世界解釈" のお話を興味深く聞くことが出来た。特に "多世界解釈" は今まできちんとした形では聞いたことがない話題だったので新鮮だった。量子力学を学んでゆく上で幅が広がったと思う。解釈の内容についてはまだ自分の中で消化しきれていないので今後調べてみたいと思う。量子論とBEC、ともに興味深い内容だった。量子論については不確定性原理や確率解釈などを改めて考えることが出来、量子論の不思議さとおもしろさを感じることができたし、量子論をもっと深く学びたいという意欲も湧いてきた。BECに関しては映像がたくさんあってよかったが、自分の知識不足のせいか実験結果の解釈で難しいところがあった。ただBECのおもしろさはじゅうぶん理解できたと思う。BECの原理的なところをもっと詳しく教えて頂きかったと思う。量子力学についての説明が非常に丁寧で有難かった。又、実際に物質を冷却する方法としてレーザーを利用するという話は初めてでおもしろかった。2日間という時間のせいもあったかもしれないが、個人的にはもう少し踏み込んだ内容もあると嬉しかった。最後の話で "前の世代を羨まなくても最良の時はこれから来る" という言葉を聞いて、もっと真面目に勉強しようと思った。