UEDA GROUP
Department of Physics, The University of Tokyo
研究室紹介 / 関連記事 / 研究テーマ [冷却原子気体], [量子情報・測定・情報熱力学] / 受賞

研究室紹介

研究室紹介(PDFファイル): 2016年度 / 2015,2014年度 / 2013年度

年次報告(PDFファイル): 2015年度 / 2014年度 / 2013年度 / 2012年度 / 専攻ページ

関連記事

「ユニタリー極限におけるフェルミ原子気体の普遍的熱力学」 堀越宗一、向山 敬、上田正仁
日本物理学会誌 Vol. 67, 2012年4月号, p. 257-261 〜最近の研究から〜

「微小非平衡系における情報熱力学」 沙川貴大、上田正仁
日本物理学会誌 Vol. 66, 2011年11月号, p. 828-831

「ボース・アインシュタイン凝縮」 上田正仁
現代物理学の世界 トップ研究者からのメッセージ (講談社基礎物理学シリーズ、2010) 二宮正夫(編集)単行本(共著)pp. 51-58.

「スピノル・ボース・アインシュタイン凝縮で実現する非可換量子渦と、その衝突ダイナミクス」 小林未知数、川口由紀、新田宗土、上田正仁
日本物理学会誌 日本物理学会誌 Vol. 65, 2010年8月号 p. 625-628

「磁気双極子相互作用するボース・アインシュタイン凝縮体」 川口由紀、斎藤弘樹、上田正仁
日本物理学会誌 日本物理学会誌 Vol. 64, 2009年8月号 p. 623-627

「Maxwellのデーモンと情報熱力学」 沙川貴大、上田正仁
数理科学 No. 545, 2008年11月号(サイエンス社)p. 18-23

南部陽一郎氏 ノーベル物理学賞受賞に関する解説記事 (2008年10月)
祝 南部陽一郎氏 ノーベル物理学賞受賞「目で見る対称性の破れ」

下記の研究がPhysical Review Lettersの表紙を飾りました。
研究テーマ

冷却原子気体
 レーザー冷却等により、マイクロケルビン以下に冷却された原子気体のボース・アインシュタイン凝縮やフェルミ超流動の理論的研究を行っている。 この系は原子間相互作用の強さを含むほとんどすべての物質パラメーターを自在に変化させることができる人工量子物質である。この 自由度を用いて、様々な物理現象に共通する普遍的な法則の探求が可能である。例えば、光で作られる結晶(光格子)を用いて理想化され た状況下で高温超伝導のような強い相互作用をする系の性質を調べることができる。また、ボースノヴァとよばれる超新星爆発に類似した 非平衡現象、キブル機構という宇宙初期の相転移のシミュレーション(図1)を行っている。更に、結び目理論のような数理物理への展開も行っている(図2)。
 冷却原子気体は、相互作用が強い極限(いわゆるユニタリティ極限)で、原子の種類などの物の性質によらない普遍的な熱力学的性質を 示すようになると予想されている。このユニタリティ極限の性質を理解することは、高温超伝導のメカニズムの問題や原子核物理の問 題とも密接な関連がある。また、今後は様々な対称性を持った超流動や、分子の超流動など様々な分野にまたがる学際的な研究に発展し ていくものと考えられる。




図1:量子気体がキブル機構により磁化していく様子。濃淡が磁化の強度、色が磁化の方位を示している。 四角で囲った部分では磁化の方位が360度回転しているために、中心に磁化し ていない白い部分が残る。 これは秩序空間における特異点(トポロジカルな欠陥)であり、 宇宙初期の相転移における磁気単極子や宇宙ひもに対応する。 [movie (161MB)]





図2:内部自由度をもったボース・アインシュタイン凝縮体における結び目構造。 左図は内部自由度の状態を示しており、特別な状態の点のみ書き出すと右図の様な結び目が形成されている。 このような構造はBECに四重極磁場をかけることにより作ることができる。[movie (7MB)]



図3:スピン2のスピノル・ボース・アインシュタイン凝縮体にできる2本の非可換量子渦の衝突。 cyclicと呼ばれる相において、(非可換な)正四面体回転群に対応する量子数を持ったトポロジカル欠陥(量子渦)が現れる。 量子数の非可換性は衝突において顕著になり、衝突の際に2本の渦をつなぐような新しい渦(rung)が形成される。[movie]

量子情報・測定・情報熱力学
 不確定性関係には、系そのものがもつ量子揺らぎと非可換観測量の同時測定に課せられる制約の2重の構造がある。量子情報やナノサイ エンスの発展により、測定の反作用を含む量子測定の深い分析が量子情報処理を行ううえで不可欠になってきている。我々は、量子系か ら取り出しうる情報や仕事の理論的限界は何か、それに課せられる熱力学的制約は何かに関心をもって研究している。
 量子情報と量子測定の分野は、量子系のアクティブな制御や分子レベルでの生命現象の理解へと発展していく ものと予想される。その際、量子情報と熱力学が融合した情報熱力学とも呼ぶべき研究分野に展開していくものと期待している。


受賞

・グェンタンフク 理学系研究科研究奨励賞
  (東京大学理学系研究科物理学専攻)

・渡辺優 理学系研究科研究奨励賞
  (東京大学理学系研究科物理学専攻)

・川口由紀 第4回井上リサーチアウォード
  (井上科学振興財団) http://www.inoue-zaidan.or.jp/b-01.html?eid=00015

・沙川貴大 理学系研究科研究奨励賞
  (東京大学理学系研究科物理学専攻)

・遠藤晋平 理学系研究科研究奨励賞
  (東京大学理学系研究科物理学専攻)

・上田正仁 Outstanding Referee Award
  (American Physical Society, 2011) http://publish.aps.org/OutstandingReferees

・沙川貴大氏(D3) 2011年日本物理学会若手奨励賞
  (日本物理学会)

・Simone De Liberato研究員 Prix Jeune Chercheur Daniel Guinier
  (La Société Française de Physique) http://sfp.in2p3.fr/Prix/prix.html

・小林未知数研究員(現 東京大学大学院総合文化研究科 助教) 2010年日本物理学会若手奨励賞
  (日本物理学会) http://wwwsoc.nii.ac.jp/jps/WakateA/wakate2010.htm

・グエン タン フク君(M1)が平成20年度理学部学修奨励賞(2009年3月)
  (東京大学理学系研究科物理学専攻) http://www.phys.s.u-tokyo.ac.jp/

・上田正仁教授 第5回(2008年度)日本学術振興会賞(2009年1月)
  (日本学術振興会) http://www.jsps.go.jp/jsps-prize/ichiran_5th.html/

・上田正仁教授 2008年度仁科記念賞(2008年11月)
  (東京大学理学系研究科) http://www.s.u-tokyo.ac.jp/prize/nishina08/ueda/
  (仁科財団)http://www.nishina-mf.or.jp/

・川口由紀助教 2008年日本物理学会若手奨励賞(2008年3月)
  (日本物理学会) http://wwwsoc.nii.ac.jp/jps/WakateA/wakate2008.htm